困りごと・悩みごと 知りたいことQ&A

テーマ: 病院・医師

  • Q. 老人性認知症疾患治療病棟とはどんな施設ですか?

    A. 精神科の病院で、看護師など専門職の配置を厚くして問題行動や精神症状の激しい認知症の方にも対応できるようにした病棟のことです。一般に3か月程度をめどに治療することを目的としており、長期療養はできません。
  • Q. 病院に長期入院することは可能ですか。その場合、どのくらいの期間ですか?

    A. 大学病院など急性期の病気を治療する病院の場合、長期入院はほぼ不可能です。また、認知症の療養を目的とした病院なら、長期入院を受け入れてくれるところもあります。しかしながら、制度上、3か月以上の入院になると診療報酬を切り下げることによって、病院への長期入院を抑制しようとしています。したがって、現在、長期入院を受け入れている病院でも、将来にわたってそうした運営ができるかどうかは不透明です。
  • Q. 母の病気について、医師からすべての説明を受けたいのですが……。

    A. 医師が第一義的に守秘義務を負い、その利益を守らなければならないのは患者さんです。家族といえども、患者さんと利害が対立する可能性があるとき、患者さんの了解なしに医療情報を漏らすことはできません。精神科の病棟に入院する場合の「保護者」や、成年後見制度を利用している場合の「後見人」など、家庭裁判所が認めた代理人であれば、本人同様に医療情報を聞くことができます。
  • Q. 認知症と診断されましたが、私たち家族にはそう思えません。

    A. 診断した医師に家族の気持ちを伝え、別の専門の医療機関を紹介してもらって診断を受けましょう(これをセカンドオピニオンといいます)。紹介先は、自分で探したほうが気持ちがすっきりするでしょう。
  • Q. 受診の際、本人と家族は同席したほうがいいですか?

    A. 医師によって診察の仕方はさまざまですからその病院のやり方に任せましょう。ちなみに私は、ご本人が家族の同席に同意されれば、同席のうえで診察を始めます。ご本人が家族の同席を望まなければ、まずご本人だけに話を聞き、検査を受けてもらっている間に、ご本人の同意を得て家族の話を聞きます。
  • Q. 本人と一緒に病院に付いて行くのは誰が一番いいですか?

    A. ご本人の生活の実態を身近で見ている人がいると診察の手助けになります。普段はお嫁さんが面倒を見ているのに、診察のときだけ息子さんが付き添っても生活の様子がわからないと正しい診断ができません。
  • Q. 病院に行くのを嫌がります。どうしたらいいですか?

    A. ご本人が受診を拒否するなら家族だけで医療機関に相談しましょう。家族がまず信頼できる医師を見つけ、この人に診察してもらおう、と気持ちを決めれば、その後は誠実に話をすることです。「お母さんは大丈夫だと言うけれど、娘としては本当に心配だから診てもらってほしい」と率直に話すことです。だめなら、しばらく様子を見てあらためて試みることです。
  • Q. 検査にはどのくらいの費用がかかりますか?

    A. 初診の場合、どれだけの検査をするか、自己負担が1割か3割かなどによって異なります。進行した認知症の場合、あまり多くの検査を必要としませんが、軽度の場合、詳しい検査が必要となるため、窓口での自己負担が1万円を超えることもあります。
  • Q. 治療にはどのくらいのお金がかかりますか?

    A. 初期の外来診療では、初診の時の自己負担が1万円を超えることもありますが、検査が終わった後は大きな自己負担はありません。医療保険、介護保険とも自己負担の上限が決められているので、進行しても、保険内のサービスだけで生活できるなら費用負担は一定の限度内に収まります。
  • Q. 認知症に使われる薬と、他の病気の薬を併用しても大丈夫ですか?

    A. 認知症にさまざまな薬が使用されるとともに、糖尿病、高血圧、風邪などの治療にもいろいろな薬が使われます。薬の見合わせについては、決して素人判断をしてはいけません。複数の医療機関を並行して受診するときは、診察のたびに、必ずお薬手帳を携行して主治医に、他の医療機関からどのような薬が出ているのかを伝えました。特に処方の変更があった後は、医師にその旨を伝えましょう。薬を病院でもらわず、院外の1つの調剤薬局ですべての処方を管理してもらうこともお勧めです。
  • Q. 非薬物療法を行っている病院を探しています。

    A. 介護施設などでは広く行われているものの、認知症の非薬物療法は医療保険の適応がなく、外来の保険診療でも非薬物療法を受けられる医療機関はほとんどありません。実験的な治療研究を行っている一部の大学病院やデイケアなどの場を利用している先進的な医療機関がいくつかある程度です。
  • Q. 認知症を診断してくれる病院やお医者さんはどうやって探せばいいですか?

    A. 認知症の診断には、3つの要素が必要です。①経験のある医師、②画像検査などの機械設備、③神経心理学的な検査をする技術をもった心理士です。もっとも重要なのは、①の認知症や鑑別すべき類縁の病気について知識があり、経験の深い医師です。老年精神医学会(老年精神医学専門医)、認知症学会(認知症専門医)はそれぞれ専門医制度をもっていて、老年精神医学会の場合は、学会のホームページから老年精神医学専門医の名前、診療している医療機関、診療時間などが検索できます。ここから、近所で診療している専門医を探し、その所属先の病院のホームページに移れば、CT、MRI、SPECTなどの検査機器の有無についても情報が得られます。メモリークリニックなど、認知症専門外来を開いている病院であれば、さらに検査する心理士の有無についても知ることができます。一般的にいえば、初期の診断には、ある程度、機械のそろった病院のほうが有利ですが、検査機械はほとんどなくても、近隣の病院と連携してい優れた認知症医療を行っている医師はいるので、地域の家族会や地域包括支援センターなどを通じて情報を集めることも重要です。
  • Q. もの忘れ外来とはどんな病院ですか?

    A. 「もの忘れ外来」という診療科があるわけではありません。もの忘れ外来は、認知症が疑われる方が受診しやすいように医療機関が設定している専門外来のようなものです。もの忘れ外来を運営しているのは、精神科、神経内科、老年科などです(→「認知症かもしれないと思ったら、まず何科に受診すればいいですか?」の項参照)。
  • Q. 心療内科とはどんな診療科ですか?

    A. 心理的なストレスが原因で起こる内科疾患を診療する科です。認知症の診療は専門外です。ただし、個人開業の精神科医のなかに、精神科という看板では患者さんの敷居が高いと考え、あえて心療内科を標榜している人もいます。
  • Q. 精神科はどんな病気を対象とした診療科ですか?

    A. 子どもの発達障害から、児童、生徒の適応障害、思春期の心理的な問題、青年期以降に発症する統合失調症やうつ病、神経症、老年期に発症する認知症まで、精神機能の病気や障害を対象とする診療科です。研修医として全般的な医療の基礎的訓練を受けた後、精神科医としてこれらすべてについて一通りの勉強をして、それぞれの専門を決めていきます。
  • Q. 受診する際に何か準備しておいたほうがいいものはありますか?

    A. 医療機関によっては、特別な問診票を使っているところもあるので、予約をしたときの指示に従ってください。簡単な生活歴、既往歴、現病歴などを全体でレポート用紙1枚程度にまとめたメモを用意しておくと、診察の際、何かと便利です。服薬中の薬のリストが貼ってあるお薬手帳を持参することも重要です。
  • Q. 父が「認知症かもしれない」と悩んでいます。どう対応したらいいですか?

    A. 本人と1対1で率直に話をしてみましょう。本人が否定しても、本当に心配なら、「お父さんは大丈夫だと言うけれど、私は心配で仕方がないから一緒に病院に行って」と誠実に伝えてみましょう。お父様を安心して受診させることのできる医師を捜しておいたほうがよいかもしれません。
  • Q. 認知症かもしれないと思ったら、まず何科に受診すればいいですか?

    A. 精神科、神経内科、老年病科などに認知症を診断する医師がいます。大学病院のような大きなところでは、病院によってどの診療科が認知症の診療をしているか異なりますので、病院に直接確かめてみる必要があります。
  • Q. 認知症の専門医を紹介してくれる機関はありますか?

    A. 公益社団法人「認知症の人と家族の会」は、ほとんどの都道府県に支部をもつ認知症の方と家族の会です。こういうところに問い合わせると、専門医のことに限らず、認知症の医療やケアに関する、地元の生きた情報を聞くことができます。日本老年精神医学会のホームページには、全国の老年精神医学専門医の名前と、その医師が診療している医療機関の連絡先が掲示されています。この他、地元の保健所、役所の高齢福祉課、介護保険に関係する事業所などでも情報を得ることができるでしょう。かかりつけの先生に相談してみることも大事です。「よい専門医」と判断する基準はさまざまですから、複数の機関や人から情報を得て、最後は自分で行ってみる、調べてみるということが大事です。
  • Q. 認知症を診てくれる医師・病院はどうやって探せばいいですか?

    A. 最近では「もの忘れ外来」とか「メモリークリニック」といった看板を出している医療機関も珍しくありません。こういうところで診察している医師は、精神科、神経内科、老年科などの医師です。近くに、認知症診断、治療を専門にしている外来がない場合、精神科、神経内科、老年科等の医療機関の中から認知症の診断をしてくれる医療機関を探すことになります。最近では、医師の専門化が進み、同じ診療科を標榜していても、一人の医師が得意とする領域が狭まっています。特に認知症の初期の診断には、熟練した技術と設備が必要ですから、事前に医療機関に問い合わせるなどして、適切な医師を捜す必要があります。

このQ&Aは、あくまでも一般的な参考用として掲載しています。個別具体的なケースについては、専門家などの助言を受けることをお勧めします。