困りごと・悩みごと 知りたいことQ&A

テーマ: 生活

  • Q. 高齢になってきて将来が心配です。今から将来に備えて利用できる制度はありますか?

    A. 将来、認知症などのために判断能力がなくなったときに備えて、任意後見制度を利用することが考えられます。任意後見制度とは、任意後見契約によって、判断能力が低下した場合の自分の財産などに関する事務処理をあらかじめ第三者に委任しておくことができる制度です。判断能力があるうちに、本人が自ら後見人を選ぶだけでなく、事務処理の範囲や方法についても自分で決めておくことができるため、より本人の意思を尊重することができます。ただし、あくまで現時点で本人の判断能力があることが前提ですので、認知症が進んだ後は法定の成年後見制度の利用を考慮すべきです。
  • Q. 高齢になってきたので、財産の管理に自信がもてなくなってきました。何かよい方法はありますか?

    A. 財産管理契約を締結する方法があります。これは、民法の委任契約を利用し、本人が委任者に、弁護士などが受任者になり、財産管理委任契約を締結する財産管理の方法です。任意の契約であることから、委任契約については、契約当事者の合意により自由に設定することができます。委任契約ですので、成年後見制度とは異なり、本人の判断能力に問題がないケースに利用することができるものです。任意後見契約とセットで利用する場合にも多くみられます。
  • Q. 自分で歯磨きをすることが難しくなってきました。何か役に立つ道具はありますか?

    A. さまざまな道具が考案されています。ケアマネージャーに相談して調べてもらいましょう。
  • Q. 入居施設では口腔ケアの専門家がいますか?

    A. 口腔ケアの専門家が常時勤めている施設はほとんどありませんが、基本的な口腔ケアは看護師・介護職の必須技術ですから、どこでもそうしたケアを受けることができます。
  • Q. 有料老人ホームとはどんな施設ですか?

    A. 健康な高齢者を対象としたところから、認知症や身体の疾患のためにケアが必要な人まで、さまざまな高齢者を対象とした民間の居住施設です。入居費・生活費などの値段はさまざまですが、すべて自己負担です。ただし、介護保険のサービスについては有料老人ホームに入居しても自宅にいるときと同様の費用で受けることができます。一般的には、有料老人ホームのスタッフが提供する介護の一部が介護保険で賄われるということになります。有料老人ホームとは異なりますが、最近では「サービス付き高齢者向け住宅」というものが増えています。ケアの専門職が日中常駐しており、安否確認と生活相談サービスの提供をしている、高齢者に適した住宅です。
  • Q. 認知症と診断されたのですが、自分の財産をどのように管理していけばよいでしょうか?

    A. 成年後見制度を上手に使えば、自分の認知症が進行した後も、自分の財産を自分のために活用することができます。特に、任意後見契約や、公的後見制度のうちの補助制度は、障害が軽度のうちに自分の意思で使うことが可能な制度です。[斎藤正彦] 成年後見制度を利用することが考えられます。成年後見制度にもいくつか種類がありますので、財産の管理が適切に行われるよう、認知症の程度に応じて制度を利用するとよいでしょう。[小林康恵]  
  • Q. 父が認知症と診断されました。本人の財産はどのように管理していけばよいのですか?

    A. 「本人の財産を守る」という視点と、本人の財産を「本人のために活用すると」いう視点とがあります。家庭裁判所に相談して、成年後見制度の利用を考えましょう。[斎藤正彦] 成年後見制度を利用することが考えられます。成年後見人は、本人の財産を管理し、本人を代理して契約を締結したり、費用の支払いを行うことができます。[小林康恵]  
  • Q. 認知症の人が書いた遺言に効力はありますか?

    A. 認知症の程度、遺言の内容、資産の大きさ、家族関係の複雑さなどにより、一概にはいえません。ご本人が自発的に遺言を残したいというのなら、精神科医に相談して事前に能力の評価をしてもらっておくと、後のトラブルが少なくなります。[斎藤正彦] 認知症の方のすべてが有効な遺言をなしうる法律上の意思能力がないわけではありません。意思能力があるか否かは、認知症の程度、遺言をするに至った経緯、遺言作成時の状況などを考慮して、個別に判断されます。また、遺言の内容が複雑なものか、それとも簡単なものであるのかによっても、その遺言の効力が認められるかどうかは変わります。[小林康恵]  
  • Q. 詐欺などや悪質セールスにはどのように対処すればいいですか?

    A. 成年後見制度の利用を考えましょう。成年後見制度の「同意権・取り消し権」という機能は、認知症の方が不十分な理解で結んでしまった契約を無効にできる権限です。しかし、これも、実際にご本人が現金を支払ってしまった後では取り戻すことが困難です。したがって、こうした問題が心配になったら、1人でいる時間を短くするなどの配慮が必要になってきます。
  • Q. デイサービスを利用するとどんなメリットがありますか?

    A. ご本人のメリットとしては、デイサービスでは、外出すること、他人と接すること、いろいろなアクティビティーに参加することなどによって、家族とだけ過ごすより刺激が多くなります。また、自宅にいると失われがちな、1日の生活のメリハリができることによって、生理的なリズムができて、夜間の睡眠を安定させる効果があります。一方、家族のメリットとしては、一定の時間介護から解放されることで精神的・身体的なストレスを軽減できるという点です。熱心な介護者ほど少し距離を置いて休息することが重要です。
  • Q. デイサービスに行きたがりません。どんなふうに対応すればいいですか?

    A. デイサービスのプログラムや運営するスタッフの側に問題があるかもしれないので、まず、ご家族が十分納得できるデイサービスかどうかを見極めることが第一歩です。施設側に問題がなく、それでもご本人が嫌がるときは、慣れるまで家族が一緒に付き添うというのも一つの手立てです。デイサービスを嫌がる理由は千差万別ですから、デイサービスのスタッフ・ケアマネージャー・主治医などとよく相談してみましょう。
  • Q. 介護をしていると気分が落ち込みます。何かいい気晴らしの方法はありますか?

    A. 気晴らしの方法は、それぞれの人に合ったものがあるはずです。ここでは気分が落ち込むことを防ぐ一般的な方法を紹介しましょう。まず第1に、大きなストレスがかかれば気持ちが落ち込んだり、イライラしたりというのは当たり前だということを認識することです。自分だけが落ち込んだり、イライラしているわけではないのです。第2に、目の前で起こっていることを知的に理解する努力をしましょう。具体的には、認知症を引き起こす病気に関する正しい認識をもつこと、ご自分が介護している人の認知症について医学的なアセスメントをすることです。正しい知識というのは、書物を読む、講演を聴くなどの方法で少しずつ身につけていきます。しかし、本や講演から得られる知識はあくまでも一般論ですから、あなたが介護している人の病状・症状については個別の診察を受ける必要があります。第3には、自分の気持ちを知ることです。日記をつけてみることも1つの方法です。イライラする、気分が晴れないといっても状況は千差万別です。自分はなぜイライラするのか、気持ちが晴れないのかを考えてみましょう。第4に、落ち込みの原因への対処方法を考えましょう。介護負担を軽減するような工夫を、場合によっては施設介護を考えるということも含め、先入観にとらわれずに柔軟に考えましょう。
  • Q. 介護者はうつ病にかかりやすいというのは本当ですか?

    A. ストレスがあれば「うつ状態」になることがありますが、それを「うつ病」といっていいかどうかは別の問題です。
  • Q. トイレにうまく誘う方法やタイミングはありますか?

    A. その人の排尿・排便のリズムを1か月ほど調べてみると、どのような時間やどのようなタイミングで誘えばいいのか見えてくることがあります。
  • Q. 生活上でさまざまな困りごとがありますが、専門家にはどのように相談したらいいですか?

    A. 医療・介護の専門家と相談することです。これらの症状は人によって現れ方が違いますが、一方で、認知症の方にはいくつかの類型がみられ、対応の仕方に関するヒントも数多くあります。専門家と相談するときは、「徘徊」とか「妄想」とか決めつけてしまわず、普通の言葉でできるだけ客観的に記述しておくことが重要です。これは、精神症状ばかりでなく、失禁などの生活行動の障害に対する対応を考えるときにも重要です。日常の言葉で客観的に記述された情報をもって相談することが、専門家から質のよい返答を手早く引き出す近道です。また、こうした記録は、ご家族が自分で対応の方法を考えるときにも役立ちます。
  • Q. 健康を管理する際に特に注意することはなんですか?

    A. ご本人が自分の身体の不調を訴えられないという前提で、ていねいな日常ケアによる体調の観察が不可欠です。排せつ介助・入浴介助・食事介助などすべての生活行動をよく観察し、いつもと違うところがあったらすぐに医師と相談してください。
  • Q. 食事に関して注意することはありますか?

    A. 認知機能の障害や身体機能の低下に伴って種々の問題が起こります。専門家の評価を受け、各人に対する、そのときの状況に合わせた対応が必要です。
  • Q. きちんと食事をしているのに、頻繁に何か食べたがります。どうしたらいいですか?

    A. こういう状態が何年も続くわけではありません。デイサービスなどを積極的に利用して、食間の時間を埋めるプログラムを提供すると収まることもあります。やむを得ない場合は、食事を何回かに分けて提供したり、カロリーの低い間食を用意するという方法もあります。
  • Q. 行方不明になったとき、警察は探してくれますか?

    A. 探してくれます。道に迷う可能性があるなら、普段から衣服の特徴をしっかり記録しておいたり、顔写真を用意したりしておくと、捜索願いを出すときに慌てないですみます。保護されたときすぐ身元がわかるようなもの(みっともなくない程度のもの)を、ご本人の衣類に付けておくのもよいかもしれません。
  • Q. 外出時に転ばないためにどんな工夫が必要ですか?

    A. 本人の努力では対応できません。認知症の進行とともに足を上がらなくなるとともに小幅歩行になるため、ちょっとした段差でつまずきやすくなります。さらに、視覚的な認知機能が低下して、水たまりの大きさや小さな段差の高さなどを推測するのが難しくなることも転倒のリスクを高めます。歩行がしっかりしている時期から杖を持ってもらうなどの対応をしておけばよいかもしれません。転倒を繰り返すほど進行してから杖の使い方を覚えてもらうのは不可能です。こうなったら他の人が付いて注意する以外に方法はありません。

このQ&Aは、あくまでも一般的な参考用として掲載しています。個別具体的なケースについては、専門家などの助言を受けることをお勧めします。