児童が最初に発達する感覚は、母親の胎内で聴く聴覚です。音を出したり、音によって外の世界の情報を処理することは、人間がその後成長をする過程で中心的になっていきます。
児童が最初に体験する音質で、自ら積極的に探るのは、我々が音色と呼ぶものです。音色は、特定の声や楽器の音がどういうものであるか、他の声や楽器の音とどう違うのかというものであるかを表します。また、その音が柔らかいものか硬いものか、響くものや耳障りなものなどを表します。そのため、児童とのブンネ法ではまず音というものに関わります。児童は物語や歌などを、身体を使ったり他のいろいろな方法で表します。
次に児童が体験するのは、音楽の基盤的な脈となるリズムのプロセスで、それは母親の胎内で聴いた鼓動を思い起こします。児童のブンネ法の中で、スウィングギターによる規則的な伴奏や他の練習によって、脈に意識的になることや歌のメロディーのリズムから解放されることなどを学びます。これは運動の自動化とも呼ばれ、脳の概念的思考や言語能力を発達させるために非常に重要な意味を持っています。
およそ2歳頃になると、児童は音の高低が分けられるようになり、メロディーを歌うことを始めます。児童のブンネ法では、子どもたちがそれぞれ単音フルートやチャイムバーなどを使い、分散音演奏と呼ばれる方法によって短いメロディーを奏でる練習を行います。分散音演奏はそれぞれの音が連携しなければメロディーにならないため、社会的にも重要な意味を持ちます。
暫くして児童が3歳くらいになると、子どもはハーモニーというものを理解するようになり、コードの変化ということも分かり始めます。そのため児童のブンネ法では、子どもが2~3歳くらいになると歌の伴奏を始めます。これは、通常の音楽学校では児童が10~12歳頃になって初めて普通のギターの演奏を始めるのとは違っています。その頃は、児童が最もダイナミックにものを覚える時期(生まれてから、6~7歳頃)を過ぎてしまっています。児童のブンネ法では、もっと早い時期から音楽に親しむことが出来ますし、またそれもブンネ法の特色のひとつでもあります。
児童は、このように2~3歳頃からメロディーがどのようなもので、またどのようにコードが変わるかということを既に「知って」います。私たちの社会では、子どもたちは非常膨大な数の音楽や音楽的なコードというものを無意識に耳にしており、音楽がどのようなものであるかについて頭の中ではある程度の知識を持っています。しかし、子どもたちはまだ普通のギターやフルート、ピアノなどの演奏ができるために必要な、身体運動的な成長は遂げていませんし、それが問題ともなります。「身体が言うことを利かない」という状況です。
ブンネ法は、ブンネ楽器そのものが非常にシンプルに作られているため、それでもコード伴奏やメロディー、ベース演奏などが出来るというユニークなチャンスを与えてくれます。また、みんなと一緒に音楽を楽しむ中で、身体運動や概念思考の能力を伸ばしていくことが出来ます。
2010年8月 ステン・ブンネ
2010年10月 9日
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スウェーデン音楽療法
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by Joakim
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身体は、動きを通して音楽に応える(1 / 3)
音楽リーダーあるいは誰かがブンネ楽器のスウィングギターをリズミカルに演奏すると、参加者は当然のように合わせて歌います。人が唄う時は単に唄や言語器官が活動するのではなく、実は全身が活性化されます。歌や音楽に合わせて、ある人は上半身を前後に揺らし、またある人はリズムに合わせて足を振るでしょう。他にも頭を前後や横に振ったり、他にも手拍子をしたり指で椅子の背や机の上でリズムを取る人もいるかもしれません。
参加者自身が楽器を演奏する際にも、多かれ少なかれ音楽のリズムに合わせて体を動かします。
多かれ少なかれとは、身体の動きが音楽の流れに連動するという意味です。参加者が静かに座っているように見えても、動きはあります。私たちの体は、目にははっきりと見えないとしても、筋肉のリズムカルな動きが計測できるほどの細微運動的な動きをします。私たちが講座を受講する場合には、往々にして「講師に合わせて無言で喋る」というような傾向もあります。口腔器官(舌、唇、顎など)は、自分自身で講師の言葉をなぞるように、その言葉を口で追うわけです。
私たちの神経組織は、音楽を聴いたり感じたりするとすぐに身体で反応する能力を持っています。神経組織は、私たちが考えたり意識的に決定するよりも前に、リズムに合わせて動くように反応します。ですから、例えばスウィングギターの演奏や歌は、高齢者が自然に体を動かすことに繋がります。普段座ったままや動きの少ないことの多い、また高齢化に伴う病気を持つ人にとって、それは非常に健康的なことです。また、座ったままや沈み込んだままということも、無気力と関連性があります。そして運動、活動やバイタリティというものも、共に関連しているものです。
音楽上の言葉で言えば、身体は音楽の脈やリズム、また脈のテンポに反応し、またどれだけ強いかという音の強度にも反応すると言われています。音楽の速さや遅さ、また音の強さや弱さの変化を、私たちは音楽のダイナミックと呼びます。
どれだけ速いか遅いかという音楽的な脈のテンポは、私たちの心鼓動の頻度、つまり脈と直接関わりがあります。私たちが寝ている時や目覚めたばかりの時の脈拍は、通常1秒に55から70の間と言われます。それと同じようなテンポ(55~70 bpm)で音楽が演奏されると、それによって気持ちが落ち着き、緊張が解け安心するという効果を生み出します。音楽が、私たちが覚醒して活動的な時と同じテンポ(約80~100 bpm)の場合は、行っている行動に流れが出やすくなり活動的な状態を保つことが出来ます。昔の船の漕ぎ手がリズムを取りながら漕いだり、地面に杭を唄いながら打つ職人のようなものです。もし音楽のテンポが120から140 bpmに上がると、跳んだり体を動かしたり、踊りだしたくなります。
これは、多動的な人やストレスを感じたり攻撃的な人に対し、その人のテンポより遅いテンポの音楽を歌ったり演奏をすることで、その人たちを穏やかにさせることも出来るということです。
またそれとは逆に、無気力で覚醒感もない状態でただボーっとしている人の活動レベルを向上し、活動や行動に導いていくことも出来ます。
どうやら、私たち人間にはその人なりの生きるリズムとも言える、行動するにあたって「お気に入りのテンポ」というものがあるようです。それは、特にある種の病状や例えば自閉症のような機能低下の状況に明確に示されています。ですから、その人のお気に入りのテンポで音楽を演奏することによって、コンタクトを取ることが容易になります。相手の注目を獲得してコンタクトを確立するということは、私たちが人と関わっていくうえで前提となるものですし、コミュニケーションの向上というものも、そこから繋がっていくものです。
そして、音楽はそこで重要な役割を果たします。
ブンネ楽器とブンネ法は、職員でも家族でも、あるいは高齢者でも認知症の方でも文字通り誰でも簡単に楽器の演奏が出来て、またそれが動作へと誘っていくのです!
そうなると、もはや音楽による健康的な身体の運動をするためにプロの演奏家や音楽療法士に頼ることも必要不可欠ではなくなります。ブンネ法の5つの場面のひとつでは、特に運動の曲や車椅子の体操などにより、音楽と動作の関係に特化して関わっています。それがどのようになっているかは、次回の項でお話したいと思います。
2010年3月30日
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by Joakim
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皆様こんにちは
また秋になりました。スウェーデンの北では紅葉は既に終わってしまいました。日も少しつつ短くなり、寒くなってきました。来月やっとまた日本に行きます。楽しみにしています。今回皆様に嬉しいお知らせがあります。先月の9月から日本国内でもブンネ法を学ぶ講座が出来上がりました。
9月の始めに12人は二日間の基本コースAを受けて頂きました。二日間でブンネ法の理論と楽器の練習ができました。これから参加者の皆さんはご自分の現場で頑張っていいただいています。

それから9月9日神奈川県民ホールで夢の架け橋と言うレビー小体型認知症 をテーマしたイベントをやりました。その時にSQCのヨアキム カウトは橋 幸雄さんと一緒にブンネの楽器で『いつでも夢を』を演奏しました。
ブンネ法のコースでは、下記のことを学びます。
●基本コースA (2日間)
基礎コースAは理論と実践に分かれ、高齢者のリハビリの視点から、どのように高齢者の健康的な能力に注目し、また認知症の経過の対向錘のなるように、ブンネ法をどのように高齢者福祉に適応するかについての理解が深まることに重点を置いています。
このコースでは、ブンネ法の5つの局面と認知症の基本的な知識を学びます。また、ブンネ法で使用されるスウィングバーギターの演奏と指示について学ぶことについても、重点的に行います。
目標:
このコースの目標は、受講者が受講後に現場に戻り、スウィングバーギターを使って高齢者と一緒に演奏や歌が出来るようになること、また同僚にスウィングバーギターの使い方を指導することが出来るようになることです。これにより、受講者が現場においてブンネ法を実践することへの理解が深まります。
現場においての約3-6か月の実践の後、次は基本コースBに進みます。
●基本コースB (2日間)
このアドバンスコースでは、ブンネ法の理論と実践に分かれ、楽譜によるミニベース、単音フルートとチャイムバーの個別ノート演奏も紹介されます。その他、認知症への記憶トレーニングや、受講者同士でコースAでの体験を分かち合うことも含まれます。
個別ノート演奏 は、音の世界の探求を可能にし、また簡単にそして実用的に高齢者や他の対象グループを一緒にリード出来るという、ブンネ法の中でも重要なコンポーネントです。 個別ノート演奏では、参加者それぞれがひとつの音を受け持ちます。参加者にとって、演奏は自分の番が来る時だけですが、全体の流れの中でそれが重要になります。この場面では非常にモチベーションに富み、同時に短期記憶や肺、そして微細運動能力の訓練になります。このコースでは、 個別ノート演奏 のやり方の指導方法や簡単なアレンジも学びます。
目標:
このコースの目標は、受講後に現場に戻り、高齢者と一緒に 個別ノート演奏 の実践と、スウィングバーギターを使って高齢者と一緒に演奏や歌が出来るようになること、また同僚に 個別ノート演奏の手法やスウィングバーギターの使い方を教えることが出来るようになることです。これにより、受講者が現場においてブンネ法を実践することへの理解が、より深まります。
詳しくはSQCのホームページまで
http://swedishqualitycare.jp
2009年10月11日
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スウェーデン音楽療法
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by Joakim
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bunne_memories in Hudik_lowbitrate.wmv
以前このブロッグで述べた『ブンネ法の特徴とは?』は、ブンネ楽器の紹介が多かったと思います。気になっている方もいらっしゃると思いますので、今回は、今年の3月スウェーデンで開催したインストラクター研修の際のビデオを紹介したいと思います。ビデオの中にスウィングバーギターの弾き方やセパレート・ノート・プレイ(SNP)の紹介も含まれています。
ご興味を持たれた方は、後で案内する11月の私のセミナーに来て下さい。
あるいは、その前に開催する予定のブンネ法基本コースAとBを、是非お受けください。
よろしくお願いいたします。
Sten Bunne
2009年6月15日
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スウェーデン音楽療法
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ブンネ法の特徴とは?
新たな音楽のハードウェア『ブンネ楽器』
ブンネ法におけるもっとも重要かつ基本となるものはブンネ楽器シリーズです。これらの6種類の楽器は、子ども、障害者、高齢者の方々が音楽演奏に参加する上で、本物のチャンスを与えるようにデザインされています。ブンネ楽器なら、誰でもその場で、本物のコード、メロディ、ベースを演奏できます。「幼いから」「高齢だから」「障害があるから」「音楽の知識がないから」・・・音楽を演奏する際にこれまで障害と考えられてきたものは、もはや障害ではないのです。
音楽家の役割−人間の成長に対する可能性
音楽家がグループセッションに参加することで、人間の成長の可能性を飛躍的に高めることができます。これは、身体的レベルのみならず、精神的レベル、社会的レベルにおいても言えることです。実生活において聞くことのできる音楽に近い音楽を弾けることは、大きなモチベーションとなります。これこそが、音楽療法や特別な教授法また学校教育でブンネ法が取り入れられている理由です。ブンネ法がよく用いられている分野のひとつである高齢者ケアにおいては、スウィングバー・ギターを使って高齢者とスタッフが一緒に演奏を楽しむことができるのです!
一歩先ゆくブンネ法
ブンネ法を使えば、もはやリズムや打楽器だけを使用しなくてはならないこれまでのやり方にとどまる必要はありません。ブンネ法ならもっとその先に行くことができるのです。ブンネ楽器では、誰もが"トーンの世界"に入ることができます。洋楽をはじめ多くの音楽文化において、トーンは音楽の基本となるものです。対象グループにとって、ブンネ法は"トーンの世界"への入場チケットとなるのです。またこれは、障害を持つ人々が音楽へアクセスしやすくなることも意味します。
ブンネ法は"ノーマライゼーション"のコンセプトを具現化しているとも言えます。なぜなら、社会において私達のモデルが奏でる音に限りなく近い音を演奏しようとするものだからです。
構成
高齢者ケアにおけるブンネ法は5つのポイントから構成されています。それらをシステマティックに認知症の方に使えば、脳のニューロンの突起を増やすことができます。音楽は、記憶、時間の感覚、アイデンティティーなどの精神的技術を活性化します。また、楽器演奏による身体的な関わりは、粗大運動技術、微細運動技術体、動きの調整などの身体機能を維持、または向上させることができます。
2009年4月 7日
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スウェーデン音楽療法
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by Joakim
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