今年で84歳になるクライアントは、アメリカで生まれた日系2世で、友愛会から徒歩5分程のアパートで一人暮らしをしています。家族がいないためクライアントの友人、及びアパートの管理人夫妻が後見人になっています。
クライアントは、ほぼ毎日友愛会に徒歩で来られ、2階のカフェテリアで昼食をとることが毎日の日課でしたが、今年の9月中旬に、クライアントが交通事故に遭い、友愛会から車で15分程離れた病院に担ぎ込まれた旨の連絡が後見人夫妻から入りました。
翌日ケースマネージャーは、後見人にこのプログラムの説明をしました。後見人夫妻も85歳を越す高齢者なので、友愛会の介入を快く受け入れてくれました。その日の午後、ケースマネージャーとボランティアは、クライアントが入院している病院(ICU病棟)を訪問しました。本人の意識がまだはっきりしていなかったため、病院の看護師からクライアントは腰の骨の骨折、頭部外傷の処置を受けた後、点滴をしている状態であるとの話を聞きました。それから交通事故で入院した患者の病院への支払い方法等をソーシャルワーカーと相談し、警察に現在の事故の状況の確認を勧められました。ケースマネージャーは、病院スタッフからの指示を後見人に報告した後、警察に事故の現状を確認し、相手先の保険会社に連絡し、交通事故としての処理を依頼しました。
入院から3日後、クライアントはリハビリ病院に移動になり、リハビリ病院入院1週間後、ケースマネージャーとボランティアは、クライアントを訪問しました。クライアントは、まだ事故後の混乱が見られましたが、顔色も良くなり食欲も出て来ている様でした。クライアントの収入は年金だけなので、病院に支払う医療費をとても心配している様子でした。ケースマネージャーは相手側の保険会社が支払いを検討している旨を伝えました。長い間一人暮らしをしていうクライアントは周りの人に迷惑をかけたくないという気持ちが人一倍強い様子でした。
リハビリ病院入院約1ヶ月後、ボランティアがクライアントを訪問したところ、体調もずいぶんと良くなり、リハビリも順調に進んでいる様子がわかり、さらにそれまで口数が少なかったクライアントからと第二次世界大戦中の強制収容所での体験の話を聞くなど、1時間ほどの滞在の中で信頼関係を深めることができました。その間、後見人から、事故の相手先の保険会社が医療費の支払いが容易ではないと連絡してきたので、事故の詳しい調査をしてもらえる弁護士を探して欲しいと依頼があり、ケースマネージャーは、何人か弁護士を探す支援をしました。
リハビリ病院約2ヶ月後の退院の際、今までアパートの2階を借りていたクライアントは、後見人(クライアントの住むアパートの管理人)の考慮により、一時1階で生活ができるようになり、ウォーカー(手押し車)が必要なクライアントは安全に移動ができるような環境が整えられました。ケースマネージャーとボランティアは、自宅を訪問し、安全の確認、ランチ宅配の手配、及びケアコール(高齢者緊急通報装置)・アウトリーチ(福祉バス)の情報を提供しました。
退院1ヶ月後、クライアントはウォーカーで友愛会までランチに食べに来られるまで回復しました。又、以前よりも明るく人と交流している様子も見受けられます。後見人、そしてクライアント両者から"私達だけでは、様々な手続きをどうすればよいか分かりませんでした。友愛会からの支援に本当に感謝しています"とコメントを頂きました。今回の事例は、病気ではなく、事故による怪我で入院したケースです。しかし、高齢者が交通事故に巻き込まれるケースは決して少なくないので、ケースマネージャー、ボランティア共々とても良い勉強・経験になりました。最終的に安全な退院生活が送れるようになった点においても、"病院から自宅への移行プログラム" の成功したケースとして挙げられます。

2010年12月17日
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by 友愛会 羽石祐子
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クライアントは、日本語を母国語とするシニアで、友愛会からは車で約45分程離れた町のフォスターシティにご主人(患者)と二人で住んでいらっしゃいます。3年前から"友愛会高齢者介護サポートグループ"(年に2回、春と秋に毎週水曜日、8週間に渡って無料で行われている)に参加されていました。他に親族がいないため、友愛会のサポートグループを通して何人か同じ境遇の知り合いができたことをとても喜んでおられました。
今年で91歳になられるクライアントのご主人は、10年前に前立腺の癌を克服された後、癌治療の後遺症(腰痛)のため腰の手術をされました。その後、しばらく車椅子の生活が続き、昨年の春ごろからウォーカーを使って散歩ができるまで回復されましたが、今年の春の高齢者介護サポートグループが始まって3週目に、クライアントから、ご主人が脳卒中で病院に入院されたという連絡が入りました。
ケースマネージャーとボランティアは、入院の連絡を受けた日の夕方、病院(ICU病棟)を訪問し、クライアントに承諾を得た後、このプログラムの説明を病院のソーシャルワーカーにしました。ソーシャルワーカーは、家族(介護者)がクライアント1人だけだったため、今後のことを懸念されていたので、友愛会の介入をこころよく受け入れてくださいました。ボランティアは、病院が遠方のためクライアントへの情報提供、及び精神面でのサポートを主に電話と電子メールで行うことにしました。
入院1週間後、ご主人は徐々に回復され、リハビリ専門の病院へ移りました。その間ケースマネージャーは、病院のソーシャルワーカー、又リハビリ病院のソーシャルワーカーと連絡をとり、病院移動に関わる手続き及び、リハビリ病院退院後の自宅又は高齢者介護施設での生活について電話で相談し、話した内容をクライアントに電話で説明をしました。ボランティアは、2、3日置きに直接電話でクライアントとコンタクトをとりました。
リハビリ病院入院20日後、病院のソーシャルワーカーからクライアントのご主人の退院について電話がありました。"病院側は患者(ご主人)が直接自宅に戻り奥様と二人だけで生活をするのは大変なので、介護施設への移動を勧める"という病院からの連絡をクライアントに電話でお伝えしたところ、"主人は自宅へ帰ることを強く希望しているので、とりあえず一度自宅に戻り、自宅介護を試してみます"というお返事でしたので、ケースマネージャーは、ボランティアに、早急に日本語を話すインホームケアー(在宅介護者)を探す支援を依頼しました。
リハビリ病院入院1ヶ月後、病院側は、患者(ご主人)が病院からのアフターケアーを自宅で受けられる状態で、奥様(クライアント)の他、在宅介護者がいることを条件に退院を許可しました。その他、退院するにあたり、ボランティアは、クライアント宅の玄関に車椅子でもアクセスできるランプを取り付ける業者を探す支援もしました。
退院から1ヵ後、ケースマネージャーとボランティアは自宅を訪問しました。ご主人は、1ヶ月間病院からのスタッフによって自宅でのリハビリを受けられ、1人で家の中を移動できるようになり、言葉を話す機能もかなり回復されました。ケースマネージャーとボランティアが英語で話しかけたところ、日本語で答えが返ってきました。ご主人本人から、"友愛会の支えに感謝しています"、クライアントからは"病院からの病状の説明や指示、又精神面でのサポートが日本語で受けられたことはとても助かりました"とコメントを頂きました。
今後もボランティアは、定期的にクライアントに連絡をして、長期的なゴール"ご主人の安全な環境でのリハビリの継続及び、クライアントが少しでも介護から離れて自分の時間を持つ"を達成できるよう、さらにもう1人の介護者(バックアップ)と短期滞在が可能な高齢者介護施設を探す支援をする予定です。今回のケースは、クライアントと友愛会の間ですでに3年間の関わりがベースにあったことで、"病院から自宅への移行プログラム"を主に電話と電子メールでも遂行できた成功例として挙げられます。

2010年9月30日
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by 友愛会 羽石祐子
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クライアントは、過去2年間友愛会からお弁当の宅配サービスを受けていたので、後見人(隣人)から本人が転んだ後の腰痛のため入院したので、友愛会に宅配サービスの一時停止を希望する電話が入りました。ケースマネージャーが"病院から自宅への移行プログラム"のサービスを後見人に電話で説明した後、ボランティアと一緒にクライアントが入院している病院を訪問することにしました。
クライアントは、日本語を母国語とする91歳のシニアで、10年前奥様が亡くなられた後、サンホゼ市内の自宅で一人暮らしをしています。他に親族がいないので、隣人を後見人に決めています。
ケースマネージャーとボランティアは、翌日クライアントを病院に訪問した際、本人に、"病院から自宅への移行プログラム"の説明をし、このサービスを受けるかどうかの書類にサインを頂きました。それから三日後(退院の前日)、ボランティアは再度病院を訪問し、退院に関する手続きの支援をしました。看護師からの本人の病状、退院に関する書類の記入方法、退院後の自宅治療(理学・作業療法士)の説明等を日本語に通訳しました。
退院2日後、ボランティアは、クライアントを自宅へ訪問し、お弁当宅配の再開の手配、又ケアコール(緊急通報システム)、アウトリーチ(福祉バス)、インホームケア(自宅介護者)等のサービスの説明をしました。クライアントは、早急にケアコールを希望したので、ボランティアはケアコール設置の申請の支援をしました。
退院10日後、ボランティアはフレンドリービジット(傾聴訪問)を開始しました。ボランティアはクライアントと昔話(戦前の日本やアメリカの強制収用キャンプ等)に花を咲かせ、1時間ほど滞在しました。
退院20日後、ボランティアは日本の歴史の本を数冊友愛会の図書館から借りて、フレンドリービジットを兼ねてクライアントを訪問しました。その際、ケアコールの機能と部屋の中の安全確認をしました。
退院30日後、ケースマネージャーとボランティアはクライアントを最終的なアセスメントのため訪問し、今後も安全に自宅で一人暮らしが可能かどうか確認をしました。ボランティアがフレンドリービジット中に懸念していた、お風呂のハンドル設置と寝室の前の床の電話コードをカバーする件について、本人と後見人に相談しました。今後必要になるかもしれないインホームケアー(自宅介護者)については、クライアントもしくは後見人から友愛会に連絡が入る予定になっています。クライアント本人からは、"このサービスのお陰で、一人で自宅に帰ってからとても心強かったです"とコメントを頂きました。
その後もボランティアは、定期的にクライアントに電話を入れたり、2ヶ月に一度程、本人が楽しみにしている日本語の本を届けています。このケースはボランティアが長期に渡って築いたクライアントとの信頼関係が精神面でのサポートをし、一人暮らしを安全にしていく上で現実的に必要な支援をしてきたことで、クライアントの再入院を防いだ"病院から自宅への移行プログラム"の成功例として挙げられます。

2010年7月 1日
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by 友愛会 羽石祐子
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Hospital to Home Transition Program
"病院から自宅への移行プログラム"概要
このプログラムは、2ヶ国語を話すケースマネージャーとボランティアが、高齢者(クライアント)が入退院時に行わなくてはならない複雑な手続き、及び退院後の生活を家族と連携し、スムーズに運べるよう支援するプログラムです。
クライアントとその家族に退院後、自宅での生活、及び在宅介護に役立つ情報を提供し、又クライアントの再入院を防ぐと同時に、高齢者自身ができるだけ独立した、かつ安全な生活が送れるよう支援します。
このプログラムの具体的な流れは以下の通りです。
①ケースマネージャーとトレーニングを受けたボランティアは、入院している患者(クライアント)のお見舞いに行く。
②ボランティアは、クライアントが病院の入退院時に必要な手続きの支援をする。
③ボランティアはケースマネージャーと共に、各クライアントに対し、病院からの指示を踏まえて、ケアプランを作成し、それを元にスムーズに自宅で生活ができようになるまでの約4~6週間フォローアップ・ケースマネージメントを行う。
必要に応じて、病院・その他の医療関連施設(リハビリテーション等)への付き沿い、又フレンドリービジット(傾聴訪問)も兼ね、クライアントと家族に役立つ情報を提供したり、退院後の不安を軽減できるようお手伝いもします。
このプログラムの全てのサービスは言葉だけではなく、文化や習慣の違いをよく考慮して提供されます。
このプログラムのゴールは、参加された高齢者(クライアント)が同じ病気で再入院するのを防ぐこと(最小でも50%の再入院の減少を目指す)と、ボランティアからの丁寧・親切な支援により、クライアントの退院後、不安の無い、安全な生活が保たれ、又このプログラムを通して、シニアセンターがクライアントからの信頼感・満足感を得ることです。同時に、社会に貢献する場(ボランティア)を求めているシニアにその機会を与える場にもなります。経費の面では、クライアントと家族、又病院側も、再入院に掛かる費用を削減できることです。
2007年から開始されたこのプログラムは、ケースマネージャー2人とボランティア2人(計4人)で、今までに約65人のシニアの入退院時の手続きの支援と、退院後の約2ヶ月のフォローアップをしてきました。今現在の結果では、クライアントが同じ病気での再入院する率を、確実に50%以上防いでいる結果が出ています。
協力機関:アウトリーチ(高齢者向けのバス送迎サービス)、Asian Americans for Community Involvement(アジア系アメリカ人コミュニティーサービス)、サンホゼ市近辺の病院(カイザー・オコナー・グットサマリタン・リージョナル メディカルセンター・エルカミノ)
下記は、ボランティアのトレーニング中とトレーニング修了書受領時の写真です。


以上、"病院から自宅への移行プログラム"の概要をご紹介しましたが、次回投稿(06/30/2010)からは、6月、9月、12月の3回に渡りこの移行プログラムの3つの事例を紹介したいと思います。
2010年4月28日
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by 友愛会 羽石祐子
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友愛会ファンドレイジングイベント"餅つき大会"
毎年恒例の"餅つき大会"は12月の第3土曜日にサンノゼ日本人街の仏教会の体育館を借りて行われます。他のイベントと同様、会場の準備、もち米を蒸す、お餅を搗く・切る・丸める・片栗粉を付ける・パックする、そしてお餅を販売する係り全てが約100人のボランティアの手で行われます。約500升のもち米は、毎年地元のお米屋さんから特別価格で購入され、出来上がった"手作りお餅"は、日本人街付近に住んでいる方ばかりでなく、車で約1時間近く離れた遠方からも、毎年楽しみに買いに来れれる方もいます。お餅は、予約販売され、当日は申込書の半券を持った方にお餅が渡されるしくみです。当日受け取りに来られなかった方のお餅は友愛会のカフェテリアの冷凍庫で約2週間保管され、その間受け渡しをします。この手作りお餅の販売により得られる収益金は日本円で約35万円です。ボランティアの中には、3世代で参加される家族もあり、この"餅つき大会"も友愛会のファンドレイジングの一環ですが、まさしく"お餅がとりもつ"コミュニティーの和みの場でもあります。


2009年12月19日
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by 友愛会 羽石祐子
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