友愛会 "病院から自宅への移行プログラム" 事例:1
クライアントは、過去2年間友愛会からお弁当の宅配サービスを受けていたので、後見人(隣人)から本人が転んだ後の腰痛のため入院したので、友愛会に宅配サービスの一時停止を希望する電話が入りました。ケースマネージャーが"病院から自宅への移行プログラム"のサービスを後見人に電話で説明した後、ボランティアと一緒にクライアントが入院している病院を訪問することにしました。
クライアントは、日本語を母国語とする91歳のシニアで、10年前奥様が亡くなられた後、サンホゼ市内の自宅で一人暮らしをしています。他に親族がいないので、隣人を後見人に決めています。
ケースマネージャーとボランティアは、翌日クライアントを病院に訪問した際、本人に、"病院から自宅への移行プログラム"の説明をし、このサービスを受けるかどうかの書類にサインを頂きました。それから三日後(退院の前日)、ボランティアは再度病院を訪問し、退院に関する手続きの支援をしました。看護師からの本人の病状、退院に関する書類の記入方法、退院後の自宅治療(理学・作業療法士)の説明等を日本語に通訳しました。
退院2日後、ボランティアは、クライアントを自宅へ訪問し、お弁当宅配の再開の手配、又ケアコール(緊急通報システム)、アウトリーチ(福祉バス)、インホームケア(自宅介護者)等のサービスの説明をしました。クライアントは、早急にケアコールを希望したので、ボランティアはケアコール設置の申請の支援をしました。
退院10日後、ボランティアはフレンドリービジット(傾聴訪問)を開始しました。ボランティアはクライアントと昔話(戦前の日本やアメリカの強制収用キャンプ等)に花を咲かせ、1時間ほど滞在しました。
退院20日後、ボランティアは日本の歴史の本を数冊友愛会の図書館から借りて、フレンドリービジットを兼ねてクライアントを訪問しました。その際、ケアコールの機能と部屋の中の安全確認をしました。
退院30日後、ケースマネージャーとボランティアはクライアントを最終的なアセスメントのため訪問し、今後も安全に自宅で一人暮らしが可能かどうか確認をしました。ボランティアがフレンドリービジット中に懸念していた、お風呂のハンドル設置と寝室の前の床の電話コードをカバーする件について、本人と後見人に相談しました。今後必要になるかもしれないインホームケアー(自宅介護者)については、クライアントもしくは後見人から友愛会に連絡が入る予定になっています。クライアント本人からは、"このサービスのお陰で、一人で自宅に帰ってからとても心強かったです"とコメントを頂きました。
その後もボランティアは、定期的にクライアントに電話を入れたり、2ヶ月に一度程、本人が楽しみにしている日本語の本を届けています。このケースはボランティアが長期に渡って築いたクライアントとの信頼関係が精神面でのサポートをし、一人暮らしを安全にしていく上で現実的に必要な支援をしてきたことで、クライアントの再入院を防いだ"病院から自宅への移行プログラム"の成功例として挙げられます。
著者プロフィール

斎藤正彦
医療法人社団翠会和光病院 元院長 [医学博士、精神保健指定医]
1980年東京大学医学部卒業、都立松澤病院、ロンドン大学精神医学研究所、東京大学、慶成会老年学研究所等を経て、2006年10月〜2012年3月翠会和光病院院長
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ステン・ブンネ
Sten Bunne
Swedenの音楽療法の分野における第一人者。ストックホルム王立大学音楽教育学修士号取得(2006)、現在はフディクスヴァル市文化長であるとともに、音楽教育及び楽器製造会社「Musinova(ミュージノヴァ)」を共同経営する傍ら、ヨーテボリ大学、ヴェクショー大学、エーレブロ大学、ダーラナ大学等でも講師を務める。Swedish Care Istituteを通じて日本での講演も多数こなしている。
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ヨアキム・カウト
Joakim Kautto
Swedish Quality Care、所長
1998年 ベルリンの障害学校研修
1999年 埼玉県植木研修生
2000年 ヴェクショー大学 (社会心理学と社会福祉士プログラム)
2005年 国際基督教大学、交換留学生 グループホーム職員のケアに関する日瑞比較研究
2005年 スウェーデン福祉研究所入社、 (プロジェクトマネージャー)
2008年 スウェーデンクオリティケア、所長
スウェーデンでの経歴
2年 パーソナルアシスタント
6ヶ月 ケアマネージャー
1ヶ月 アルコール中毒患者のための治療施設

友愛会 羽石祐子
明星大学心理学部卒業、カリフォルニア州ソノマ大学 カウンセリング修士課程卒業。ソノマ大学在学中、中学高校でスクールカウンセラーのインターンを1年間勤める。2006年から友愛会 (日系コミュニティーシニアセンター) にてケースマネージャーを勤める。ソーシャルサービス (医療、保険、法律、移民、住宅等に関する手続きの支援、及び情報提供) の他、高齢者介護のサポートグループをリード、友愛会のボランティアの教育・管理を行う。

草野可奈子
Keiro Senior HealthCare
Director of The Institute for Healthy Aging at Keiro (敬老ヘルシー・エイジング研究機関)
埼玉県浦和市(現さいたま市)に生まれ育つ。高校卒業後、コンコーディア大学アーバイン校に留学し心理学を専攻。卒業後、敬老シニアヘルスケアの運営する成人デイケアセンターに就職し、主にアルツハイマー氏病や認知症患者とその家族にさまざまなサポートを提供。デイケアセンターが閉鎖されるまで7年間勤め、その間、アルツハイマー氏病や認知症についての知識を深める。また、2004年に、カリフォルニア州立大学ロング・ビーチ校でソーシャル・ワーク修士号を取得。聖ヨセフ病院ホスピス、行動科学、カリフォルニア大学アーバイン校付属病院老人精神科病棟でソーシャルーワーカーの訓練を受ける。
現在は敬老ヘルシー・エイジング研究機関でディレクターを務め、高齢者の健康な加齢の促進を目的としたカンファレンスやその他の教育プログラムを地域に提供。また、敬老のボランティアプログラムの管理も行う。
