アウェイ・フロム・ハー 君を想う <デラックス版> [DVD]
アウェイ・フロム・ハー 君を想う <デラックス版> [DVD]
- サラ・ポーリー
- ¥ 3,990
- 出版社 / 販売元: CCRE
- 発売日: 2009-01-23
- ASIN / ISBN: B001JFOQVY
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(5件)
認知症ラボ ウェブ会員レビュー
アマゾン カスタマーレビュー
8人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
介護の現場を知っている人も知らない人も、ぜひ見てほしい。
by アマゾン99世
2009/03/03
サラ・ポーリー監督作品ですが、割と(?)地味に公開された映画。
しかし内容は初監督とは思えないくらいしっかりしています。
ストーリーはシンプル。
老夫婦の妻がアルツハイマーを患い、施設に入所するものの、次第に症状が悪化してゆく・・・
そういう一歩間違えば、陳腐なただの「泣かせ」映画になるところを、
介護の現場をしっかりと捉え、そしてその家族の心情にまで踏み込んだ作品となっています。
俳優陣もみんな控え目な演技ながら、実に素晴らしい。
主人公夫婦もですが、施設の職員を演じている全てが素晴らしい。
演技に加えて、実際の介護の実情について。
実際に、
介護の現場を知っている人、
介護職に就いている人、
家族が施設に入所している人、
・・・誰でも、どこかで、少しでも経験があるのなら、
必ずどこかに自分を重ねることができると思います。
実は私は、この映画を見初めてから、施設に入所する描写をみて、
「サラ・ポーリー、って介護の現場を知らないんじゃないか」
と思っていました。
それくらい、表面的に、「キレイ事」ばかり描いていたからです。
しかし、施設ナースの登場により、徐々に施設の実情が明らかになってきます。
そう。「施設側の都合で入所者が扱われている」実態が描いています。
日本もアメリカもそうなんです。
「入所者が第一」、なんて言いながら、実は「施設の利益優先」で運営されているのが本当。
その点もしっかり描いている点も評価したい。
物語の、主人公夫婦、とりわけ夫のとった行動が良いかどうか、それは観客に委ねられます。
それはそれでよいと思います。
「これが正解」というのはないと思います。
最後に。
音楽の使い方がうまい。
ニール・ヤングの2曲「ハーヴェスト・ムーン」そして「ヘルプレス」
妻を施設に送るときに「ハーヴェスト・ムーン」が流れます。
この曲は、ニール・ヤングのアルバム
「ハーヴェスト・ムーン」のタイトルロールなわけですが、
これより20年ほど前に、
「ハーヴェスト」という素晴らしいアルバムがあり、
「ハーヴェスト・ムーン」はいわばその続編にあたるアルバムです。
つまり、この選曲は、まさにこの夫婦2人の20年間と、
ニール・ヤングの20年間にかぶせてあるのです。
そしてエンディングには「ヘルプレス」。
これはクロスビー・スティルズ・ナッシュ&ヤング時代の「デジャ・ヴ」の曲。
これは「ハーヴェスト」よりさらに前の作品。
そう、これこそ、夫婦2人が結婚した頃の曲、
一見地味ですが、こうして舞台となっているカナダ、そして
そのカナダ出身のニール・ヤングの楽曲で締めているところも好感がもてます。
出演者は高齢者ばかりですが、若い人こそ見てほしい、素晴らしい映画です。
5人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
あなたには忘れてもらいたい秘密のこと
by かなり悪いオヤジ
2009/07/29
最近はイザベル・コイシェ作品でよく使われている左翼系カナダ人女優サラ・ポーリーの長編初監督作品。カナダ・オンタリオ州の人里離れたコテージに暮らす元大学教授グラント(ゴードン・ビンセント)と美しき妻フィオーナ(ジュリー・クリスティ)。アルツハイマーの症状が出はじめたフィオーナは自らケアハウスに入居することを決意する。1ヶ月後、フィオーナの見舞いにやってきたグラントは、そこで見知らぬ男と仲睦まじく会話をしている妻の姿を発見し呆然とするのだが・・・。
直近の記憶から失われていくといわれるアルツハイマーという病気は、裏返せば古い記憶がいつまでも消えないで残っているということ。このグラントという男、現役教授時代はやたらめったらと女子大生に手をつけてフィオーナを精神的に苦しめたA級戦犯。なので、他の男に優しくふるまい夫である自分を忘れていく妻の姿を見て、「私を罰している」などとつい思ってしまう。夫の浮気というのはどこの国でも共通の妻への最大の侮辱であり、男にとっては「あなたには忘れてもらいたい秘密のこと」なのだ。
発症した後でもフィオーナが夫の浮気で悩んだことを夫にグチったりするもんだから、観客も「本当はボケてないんじゃないか」などと勝手に想像してしまうのだが、アルツハイマーはれっきとした病気であり、映画の中でも確実にフィオーナの体を蝕んでいく。見ず知らずの男オーブリーが経済的事情で自宅に戻ったことがきっかけでいよいよ病状が悪化する妻の姿を見かねて、元大学教授はこの後とんでもない行動にでる。
<妻への優しさにあふれた夫の自己犠牲>とも<男の身勝手な自己満足>とも見れるこの元大学教授の奇行をどう受け取るかによって、この映画への評価は決まるのかもしれない。「受け入れるか」それとも「怒り出す」のか。女性の観客にとって、まさに病気ともいえる男の浮気に対する許容度を計れる1本でもあるのだ。記憶が失われるにつれ、夫への想いも微妙に揺れ動く難しい役柄をこなしたジュリー・クリスティは、本作品でゴールデン・グローブ主演女優賞に輝いている。
5人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
深い夫婦の愛
by トビアス
2009/05/05
映画冒頭は長年連れ添った夫婦の自然な生活が映し出される。けれどすぐにアルツハイマーの兆しが妻フィオーナに現れ始める。フライパンを冷蔵庫にしまったり徘徊が始まったり…。そして介護施設へ入ることを考える夫グラントと妻フィオーナ。ここで注目したいのは介護施設へ入ろうと切り出すのは痴呆症状が始まった妻フィオーナの方なのだ。普通は夫が考え始めるのが普通の気がするのだけれど、ここは意表を突かれた。でも観たあと考えたら、これも映画からのメッセージなのではないかと。結婚前何度も浮気をしたグラントへのフィオーナからの無言の別れの言葉。「悪い人生ではなかったと思うのは男性の方」という言葉が予告編にも出ている通り、これが一つの映画からのメッセージではないか。ここはやはり監督が女性というだけあって、女性の観点から描かれているように思う。そして介護施設である一人の男性と親密な関係になっていくフィオーナ。夫への仕返しなのかそれとも呆けてしまっているだけなのだろうか。映画は核心部分へ近付いていく。そんな悲しい映画展開であったけれど、夫グラントは彼女の行為に耐え続ける。そのグラントのフィオーナへの深い愛に感動した。愛する人のためなら…。深い孤独を受け入れるグラント。その結果妻フィオーナは何を言うのか。ラストのフィオーナがグラントへ言う言葉には本当に心が揺さぶられた。深い夫婦の愛を描いたこの作品は心温まる物語でした。
5人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
考えさせられます
by DJ TOSHi
2009/03/18
人物設定から『きみによむ物語』を連想しました。
このような内容の映画を観た時思うのは、自分自身が同じ立場だったらどのような行動を取れるだろうかということです。
アルツハイマーは残酷な病気です。
ひょっとしたら本人より周りの人の方がその事実を受け入れることが酷かも知れません。
お互い共有してきた時間を失われてしまうわけですから…。
若い頃浮気を繰り返し、散々迷惑をかけて罪滅ぼしのつもりがあったかも知れませんが、
奥さんに献身的に付き添った時間は共に歩んだかけがえの無い時間だと思えます。
ただ、時間的交錯の演出や終盤の情事はイマイチ釈然としませんでした。
5人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
静かに胸を打つドラマだった
by こぶたのベイブウ
2009/03/16
将来、自分がボケないって自信がありますか?
私はないです。この映画のフィオーナのように、
いつか認知症になってしまうかもしれません。
自分が何をしているのか、あの人は誰なのか、
分からない日がくるなんて想像もつかないの。
でも、だからこそ、このドラマで起こることが
とても身近で、心の深いところをついてきた。
あの最後の場面も、あれから夫はどうしたら
いいのか、ずっと考えてしまうと思いますよ。
長年、連れ添った妻をどう受け止めていいのかと。
映像も美しく、静かに胸を打つドラマでした。
エンドロールの歌も とても良かったです。
